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「今夜は青春」







ニコニコ・アイドルマスター"コラボ"MADPVについて。





アイマス(特に箱版)のアイドルのモデリングは可愛い。
可愛いだけじゃない。力強く、切なく、やさしく、格好良く、瑞々しい。
生命としてイメージされるおよそ全ての要素が湛えられている。

あくまで擬似のものだ。
「そう見えるように」塗り固められた表面に過ぎない。
L4Uを持っている人は試してみればいい、UPの固定カメラから覗く
彼女たちの断面は空虚そのものだ。

ニコマスMADPVは切り貼りを手法のベースとしている。
モデリングの断面ではないが、ステージの時空を切り裂くこの手法は
確実に彼女たちの存在の断面を露出させる。
そのフランケンシュタインの怪物のような継ぎ目を
いかに馴染ませて気持ちよく、目立たなく繋ぐか。
その技術はシンクロと呼ばれる。

空虚を隠すためのもう一つの方法論がある。
楽曲の持つエモーションに耳を傾け、同じ属性の感情をアイドルたちに降ろし、
彼女たちの生命感のうちの曲に沿ったものを抽出する技法だ。
これが達成されると楽曲の存在する層とステージが同じ層に融合し
「本当にそこに音楽が流れているような」画面が立ちあらわれる。
("シンクロ"の技法だけでは映像を音楽に縫い止めるばかりで決して融合はされない)
独立した素材であるはずの映像と音楽が互いに干渉し始めるのだ。
彼女たちはただ音楽のさなかに振舞う。
この楽曲の中でしか生まれない自己表現を懸命に投射する存在になる。
前の記事でシュールシンクロニズムと銘打った概念は大体このようなものだ。

この2つの技法はほとんどのコラボMADPVに要素として組み込まれている。
本来アイマスと関係の無い楽曲を一つの動画に封入するためには欠かせない要素だ。

今回の(という訳でもないが)おっぺけPの動画が特異なのは、この両要素に
完全な格付けがなされているという点だ。
エモーションが上方に、シンクロが土台に、という割り振りが
動画全体を通じて徹底されているのだ。



この動画を自分なりに解剖すると、出た答は
「実際のステージを、心象に映る映像であるかのようにエフェクトした動画」となる。
これだけではさすがに意味が解らない。

楽しい時間は過ぎるのが早いだとか、時間を忘れるなんて言葉がある。
主観的な時間についての言葉だが、恐ろしいことにこの動画はそれを操るのだ。
7分間があっという間に過ぎるという意味ではない。
もっとミクロな場面でそれが起こる。

「見惚れる」瞬間、人は主観的な時間が停止する。
ライブなんかに行って、どんなに集中して目に焼き付けようとしても
ほんの数瞬「見惚れて」しまい、直後に我に返るということは
割と誰もが経験していると思うが、その時頭の中では時間が跳躍していることになる。
見惚れて停止していた時間がリアルタイムに追いつくための必然だが、
この動画は擬似的に、そして強制的にその効果を引き起こす。
3:38や5:16の場面転換、5:29の千早ターン、6:30-のスローからのダンス切替など
曲と映像とのテンションが最高潮に達した絶妙のタイミングで放たれる。
断じて尺合わせや映像の繋ぎのための技法ではない。
脳の内部に描かれたあの素晴らしい一瞬をデッサンするための術理だ。
思えばおっぺけPの代名詞ともいえる白い画面フラッシュも
大枠で言えばそのためのエフェクトであると言えるのかも知れない。

わかむらPに代表されその後の多くのニコマスMADPVに継承されていった
エフェクトの多くは、アイドル或いは映像を飾りつけるための「客観的な」エフェクトだ。
動画に込めた、伝えたい想いの伝導率を上げるために駆使されるものだが
最終的に受容するかどうかは視聴者に委ねられている。
これに対しておっぺけPの駆使する「主観的な」エフェクトは
プラグさえ合えば誰にでも等しく強制的に感動させる力を持ってしまっている。
なにせ僕たちが見ている映像が既にこのステージを観て感動した人の
頭の中に流れている映像なんだ。
こんな卑怯な手段を使ってしまう男はニコマス中を探してもそうはいないだろう。


さてここからが本題だ。
この動画が「ステージを観て感動した人の頭の中に流れている映像」なら
その彼はどこに感動し、どのように感動したのかを記述しなければ
感想記事として片手落ちになってしまう。
これが意外と至難だったりする。明確すぎるせいだ。
たった一言、彼女たちの歌い踊る姿、とだけ言えばそれが全てだからだ。
もう一度言うがそれが全てだ。
これ以上分割も拡張も出来ない、本当に100%それだけのことなのだ。
本題に行き着くまでがくそ長くて
バランスとしておかしい記事になってしまうが仕方ないのだ。






                                             (おっぺけP)




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ああ

 こんにちは。自分が書くとしたら一番書き辛いことを書いてくれてるなあ(^^;)。何処とは言わないけれど。

 それで、自分にどうしても見えなかったのは、この曲を知らない、おっぺけPも知らない初心者にこの動画がどう見えるかって事なんだけど。

 この記事から得た勘でいうと、あの作品は初心者向けではないなと思いました。ブレーキとクラッチの遊びがない車が初心者向けではないように。ピーキーなチューニングの作品だと思います。それだけ。

 つまり、「このステージを見ている誰か」になれない人もいるだろうなと。

どうも。
何か、行き着いた先が明快で可笑しくなりました。
あははと笑いました。

記事で「プラグが合えば」って書いたのは勿論合わない人もいるって事の裏返しだったんだけど、それはあんまり初心者かどうかには関係ないんじゃないかなって思っています。
DikP名無用の人のビョークの動画みたく、何かのはずみで動画を視聴してしまって引き込まれるようなことが起こりやすい性質の動画とでも言いますか。

ここで書いた主観エフェクトは、ピーキーでキツキツの世界なくせにそこへの吸引力がすごいってのが特徴としてあって、それの解剖を記事ではしてみたんだけど
その吸引する力に巻き込まれないような人はやっぱりニコマス視聴者層にも多いとは思います。美麗な映像を観るためにニコマスをチェックするような人たちには先入観で弾かれるんだろうなと。
僕はすごい狭い世界で生きているので、そういう人たちのことはかなりどうでもいいと切り捨ててるからこんな記事になっちゃうわけですw

でもこの動画は「このステージを見ている誰か」その人になれなければ二束三文の価値も見出せないだろう、ってことは頑なに信じます。

>鴉さん
本当はそこが一番ヘヴィな部分なんですけどねw
でもこれを細かい言葉に分解してしまうのはさすがに別領域すぎるので、今回はあえてこのままにするのが最良かなと記事を切ったわけです。
これ以上書くのは蛇足なんだと思いました。
プロフィール

マスヲホールド

Author:マスヲホールド
新しく彼女たちと道を歩む婿固め<マスヲホールド>です。
どうか止まらずに進めたらいいな。


画像はマスロダから無断でお借りして候。

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